エヌマ・エリシュ第1話
第1話
これは、天にも地にも神々の力の満ちていた、最後の時代の物語……。
神々の住まう天界の園で、幼い女神が泣いています。
地上は雨期。溢れた川に流されて、沢山の命が失われています。
いつも、この時期になると、幼い女神は張り裂けんばかりの胸の痛みに涙するのです。
そこに――
「泣いているの?小さな豊饒神」
突然労るような声をかけられ、女神は驚きます。
「エア様……」
それは知神エア。
天神アヌの子にして王神マルドゥークの父。
そして、幼い豊饒神イシュタルが苦しい胸の内から、助けを求めていた人物でもありました。
------------------- つづく ----